こどもの反対咬合
2019年8月24日
反対咬合とは前歯の不正咬合の状態を表す言葉です。
症状の発現が早い場合は、3歳児検診で初めての指摘を受けることがあります。
反対咬合の要因は骨格的な遺伝によるものと、生えてきた歯の向きによる歯性の問題とに大きく分けることができます。
お子さんの時期の反対咬合は歯性の問題によるものが多いです。
具体的には上の前歯の生えてくる向きが内側に傾斜していることで、下の前歯とぶつかってしまい、奥歯でうまく噛みしめることが難しいために下あごを前に出して咬み合わせることで生じる癖咬みの状態といえます。下の写真を見てください。
【上の前歯が内側に傾斜しているため、下の前歯とぶつかって奥歯が咬めていません。】
【奥歯で咬めるように下あごを前に出して咬んでいます。前歯は上下逆に咬んでいます。】
皆さんも、顎を前後に動かしていただくとわかりますが、後ろにひっこめるより、前に出すほうが容易です。小さいお子さんは特に、反対咬合ではないけれど下あごを前に突き出したりしている様子が時折見られますよね??
前歯の反対咬合をこのままの状態で放置してしまうと、元は歯の問題だったものが成長とともに骨格的な問題に移行することがあります。また、ご家族やご親族の方に反対咬合の症状をお持ちの方がいらっしゃる場合は骨格的な問題に移行するリスクが高まります。
それゆえに、お子さんの時期に反対咬合は治すべき問題です!!
反対咬合を改善する矯正器具はいろいろな種類がありますが、今回は固定式の装置をご紹介します。
上の装置はリンガルアーチという装置です。
御自身で取り外すことができないため、24時間意識せずとも治療の効果を発揮する装置なので、低学年のお子様にも多用される装置です。
前歯の部分に着目していただくと細い針金のばねが見えると思います。
このばねを月に一回医院で調整して前歯を前方に押し出していきます。
下の前歯よりも上の前歯が外側に移動してくれば奥歯も自然に咬むことができるようになり、反対咬合も解消されます。
写真からもわかりますが、外側からはあまり見えない装置のため、お子様自体も受け入れやすい装置です。
反対咬合と指摘を受けたことのあるお子様は、早めに歯並び咬み合わせのご相談を受けていただくことが望ましいので、いつから治療を始めたほうがいいのか?を含めてご相談にお越しいただけるといいかと思います。
今回は反対咬合とリンガルアーチのご紹介でした。
ふみ矯正歯科